主任講師の紹介

ビアンコニ・ステファンです。
私がヨーロッパでパティシエとして働いていたときのことをお話しします。

私が生まれ育ったフランス南部にあるニースは、美しい地中海と小高い山に囲まれた世界的に有名なリゾート地です。夏はバカンスでコバルトブルーのビーチに多くの人が訪れ、冬も温暖な気候で過ごしやすく、少し足を延ばせばスキーも楽しめるので、１年中多くの観光客でにぎわっています。マルシェ（市場）は花や野菜、フルーツ、魚介など種類が豊富でとてもカラフル。海の幸山の幸にあふれ、深い食文化が発展してきた町です。小さい頃から母が料理をしている様子を隣りで見るのが好きで、よく一緒に味見をしていました。今思えば、そのような日常から自然と料理に親しみを覚え、興味を持っていったのだと思います。

14歳の時、ニースの調理専門学校に進学しました。フランスでは、将来自分が何になりたいのか、方向性を決めるのは14歳なんですよ。学校で料理やデザートを学ぶ中で、少しずつ製菓に対する興味が大きくなっていきました。そんな中、製菓を教えるフランシェン先生に出会い、彼の下で助手として働くことになりました。先生の技術を見たり、少しでも時間があれば技術練習をしたり、フランシェン先生の下で学んだことは今の私にとても大きな影響を与えています。そして彼の紹介で、ニースの高級ホテル「ネグレスコ」の中にある「ル・シャントクレール」というレストランでパティシエとしての第一歩を踏み出しました！

ブリュッセルにある「ヴィタメール」での経験も、私にすごく良い影響を与えてくれました。「ヴィタメール」はチョコレートが有名なお店ですが、その他にもマジパン細工やアメ細工、氷菓などの細工物についても高い技術を持っていました。ここで細工物の技術、逆仕込み法などの製菓技術、効率的な作り方を学べたことは、私の大きな財産になっています。
授業では、この「ヴィタメール」仕込みのマジパン細工もしっかり学んでいきますよ！

「ルドワイヤン」での経験は、私にとって本当にパティシエとしての財産となっています。

「ルドワイヤン」には、ガストロノミー（格式の高い高級レストラン）とブラッスリー（お酒を楽しむカジュアルなレストラン）があり、そのすべてのデザート作りを仲間のパティシエたちと担当していました。ガストロノミーでのデザートは、コース料理の最後を彩る大切な役割を担っています。ですから、お皿に美しく盛り付けて提供するための技術とセンスが必要とされました。ブラッスリーでは、高級なものから大勢のお客様のためのビュッフェまで、様々なデザートを作りました。多い時は100人分のビュッフェを用意するために、スピードとクオリティの両立が求められました。
洋菓子の本場ヨーロッパでの日々の仕事の中で自然と腕が磨かれ、今日の自分があると思っています。